当研究室の大学院生2名が第33回設計工学・システム部門講演会にて2件の研究発表を行いました。
書誌情報:濱元美穂, 筒井優介, 妻屋彰, 安全設計支援のための網羅的な危害シナリオの生成と評価に関する研究(ペトリネットを用いた危害シナリオ生成システムの検討)設計工学・システム部門講演会講演論文集, 2023.
概要:製品の多機能化やグローバル展開に伴い,想定外の製品事故が増加している.これらを未然に防ぐためには,設計時に事故に至る危害シナリオを漏れなく網羅的に想定することが求められる.本研究では,網羅的に危害シナリオを生成・評価するシステムの開発を目的とする.本稿では,事故事例の分析から,事故発生に繋がる因子を抽出し,因子の状態や因子間の関係を条件に製品等の状態遷移を起こす因果列をペトリネットで表現する方法および,危害シナリオ生成システムの開発に向けたデータ構造とアルゴリズムの検討結果について報告する.
書誌情報:鈴木悠河, 筒井優介, 妻屋彰, 設計仮説のモデリングに基づく手戻りリスクの可視化手法, 設計工学・システム部門講演会講演論文集, 2023.
概要:人工物の新規設計は仮説(設計仮説)の生成と検証により進行するが,設計の下流工程で設計仮説の誤りが判明した場合,致命的な手戻りが生じうる.そのため,上流工程にて,設計仮説に係る手戻りを早期発見することが求められる.本研究では,設計仮説に係る手戻りリスクへの早期対策の実現を目的とする.本目的を実現するべく本稿では,設計仮説および人工物の構成要素をグラフ構造でモデル化し,手戻りリスクをモデル上に可視的に表現する方法を提案する.さらに提案手法を具体事例へ適用し,その妥当性を検討した結果を報告する.