生産システム工学

生産システム工学

生産システムとは、製品を生産するための仕組みのことです。現代の複雑・大規模な製品は、様々な企業が協力しながら生産されます。また各企業の工場内においても、人や工作機械などが連携して生産を行います。生産システム工学は、このような生産システムを設計するための学問です。

本研究室では、生産を柔軟に行うための方法を明らかにするために、生産システムをコンピュータでシミュレーションする方法を検討しています。

本研究室の取り組み

内示生産システムの挙動解析

内示生産とは、製品の需要予測に基づいて前もって生産を行うことを指します。実際の注文よりも前に生産を始めるため、短い納期で様々な製品を調達できますが、需要予測が大きくはずれた場合、過剰在庫や納期遅れなどにつながります。本研究室では、内示生産システムをコンピュータでシミュレーションを行い、内示生産を適切に行うための方法を検討しています。

自然災害に強い生産システム

我が国では、自然災害によって物流の障害が発生するリスクが高いため、災害発生時に食料などの必需品が生活者の手元に輸送困難となってしまう場合があります。例えば、東日本大震災においては物流が滞り、一部の地域においては長らく食糧難になりました。自然災害が発生したとしても、生活に必要な物流を滞りなく実現するような生産システムが必要です。

自然災害に強い生産システムに特徴として、ロバスト性レジリエンスの二つを挙げることができます。ロバストな生産システムとは、自然災害が発生したとしてもその機能を失わないような生産システムを指します。対してレジリエントな生産システムとは、機能が一時的に喪失したとしても、短時間で復旧可能であるような生産システムを指します。

本研究室では、ロバスト性とレジリエンスを考慮した生産システムのモデル化とシミュレーションを行い、その挙動を解析し、自然災害に強い生産システムの実現を目指しています。